アイドルとプロジェクション

Idol star

こんにちは、喜龍一真です。

アイドルとプロジェクション(投影)について考察してみます。

アイドルといえば、男子の最強はなんといってもジャニーズでしょう。

SMAPに嵐に関ジャニにTokioに、他にもいっぱいあって男子の私には把握しきれませんが、若い子から主婦層まで、今も変わらず需要に応え続けています。女子の最強はいまはAKBやSKE なんでしょうけれども、個人的にはPerfumeとかきゃりーとか可愛くて好きですし、BabyMetalとかテレビに出てませんがものすごい人気ですね。

しかし、いまはこういった三次元のアイドルだけではなくて、二次元のアイドルも実にたくさん存在します。

いわゆる腐女子と言われる人たち向けのBLマンガやゲーム、動画などなどネット上ではすごい人気ですし、初音ミク系のボカロなどは、単に音楽だけでなく、イメージそのものを男女なく二次創作に使っています。男子は男子でアキバ系の萌キャラやエロゲなどの女の子にのめり込んでいる人がたくさんいます。

こういった、二次元三次元問わず、理想の異性像に理性を超えて惹かれてしまうということが、しばしば人間には起こります。

リア充と呼ばれる人たちのように、身近な異性と恋愛して、楽しくカップルになり、ラブラブに結婚できれば理想的ですが、リアルでの恋愛や結婚がどんどん難しくなるに従って、三次元二次元のアイドルの需要は高まる一方です。

私自身、学生時代に女性アーティストの熱心なファンになったことがありますが、それまでアイドルなどにいっさい惹かれたこともなく、どっちかといえば毛嫌いしていましたので、まさか自分がそんなことになるとは思ってもみませんでした。そうなると、とても人には言えない、あんなことやこんなことを、真剣に考え続けてしまい、止められなくなってしまうのです。

いったい、なぜこんな事が起こるのか。それを説明するには、プロジェクションを理解する必要があります。

まず心理学全般で言うプロジェクションとは何かというと、投影と訳されるように、他人に自分の心理を投影することを言います。

例えば、本当は自分が相手のことが嫌いなのに、「人を嫌ってはいけない」という強い刷り込みがあると、自分が人を嫌っているとは認められないので、代わりに「相手が自分を嫌っている」と、相手の態度を曲解して、勝手に思い込もうとするわけです。

本当の自分の気持ちに気づくと、自分自身が罪悪感をもったり、傷ついたりするので、そうならないよう他人に責任転嫁するわけです。それも無意識にです。このように無意識のうちに自分を守ろうする働きを防衛機制といいます。

プロジェクションも、防衛機制の一種とされています。

しかし、プロジェクションは防衛機制だけではなく、無意識層から元型的な感情エネルギーが覚醒し始めながら、まだしっかり内面全体と統合されていない時にもよく生じます。

元型(アーキタイプ)というのは、集合無意識にある典型的な感情エネルギーのことです。多くの人々の中で共通に見られる、集合無意識から発生してくる感情エネルギーに対して、アニマやアニムス、グレートマザー、オールドワイスマンなど、それぞれを象徴するイメージでタイプ分けしたものです。

プロジェクションの最もわかりやすい例は、恋愛感情です。強い恋愛感情を持つときは、元型が作用していることがほとんどです。

この恋愛感情を引き起こすのは、男性であれば動的女性性であるアニマ、女性であれば動的男性性であるアニムスという元型エネルギーです。

アニマ、アニムスというのは、ユングが元型エネルギーを呼ぶのに使った名称で、有名ではあるのですが、わかりにくい言葉です。なのでざっくり言ってしまうと、アニマとは「お姫さま」の元型で、アニムスとは「王子さま」の元型のことです。

なので、ここでは姫元型と王子元型と呼ぶことにします(笑)。

わかりやすく言えば、恋愛感情を引き起こすのは、

・男子の場合は、無意識層から姫元型が発動してきた時
・女子の場合は、無意識層から王子元型が発動してきた時

となります。

どういうことかといいますと、もともと人間には男性性も女性性も、両方の性質を内在させているのです。しかし、その多くは眠ったままになっています。

もともと、肉体レベルでも、人間は男子にも女子にもなれるように、汎用的に作られています。だから男性の体にも女性の体の名残がありますし、女性の体にも男性の名残が痕跡として残っています。

性差を導き出すのは、性染色体です。その情報に基づき肉体が男性化したり、女性化したりしています。なので、もともと人間は両性具有に作られているとも言えます。それが本来の人間の完全性を示唆しているわけです。

しかし、三次元に生まれてくる際には、片方の性を捨てて、男性だけ、女性だけになって生まれてきます。そうやって、不完全な存在になるぶん、別の異性と再度結ばれることで、未知の遺伝子と融合し、新たな生命を生み出すことを可能にしているわけです。

それは、内的にも同じことで、本来人間は男性であっても、女性であっても、男性性、女性性を担っています。しかし、その多くは眠っています。

そして成長するに従って、多くは環境要因から、男性は男性としての感情を成長させ、女性は女性としての感情を成長させていきます。

小さな女の子が、お姫様の絵をいっぱい書き、小さな男の子はヒーローの絵をいっぱい書きます。そうやって、知らず知らずのうちに、自分は男子、自分は女子という自意識を育てながら大きくなるわけです。

必然的に異性の感情エネルギーは成長しないで、眠ったままになっています。

つまり、
・男子は、王子元型を成長させますが、姫元型を眠らせています。
・女子は、姫元型を成長させますが、王子元型を眠らせています。

これが、思春期辺りになってくると、肉体がまず異性を求め始めて変化を起こしてきますが、内面はそれを受け取ることがまだ出来ません。そこで、眠っていた元型が目覚めてくるのです。

つまり、
・男子は、思春期頃から、眠っていた姫元型が目覚めてきます。
・女子は、思春期頃から、眠っていた王子元型が目覚めてきます。

ところが、ここまで、男子は自分は男子だと思っていますし、女子は自分は女子だと思っていますから、そこで自分の中に異性的なものが目覚めてきても、当然受け入れることなどできません。

もし受け入れてしまえば、いわゆる性同一性障害といった内的分裂に悩まされるようになってしまいます。実際、そういう人も増えてきていますね。

そこで、このような内的な危機から守るために、防衛機制としてプロジェクションを起こします。

つまり、
・男子は、目覚めてきた姫元型を、周囲の女子に投影し、
 彼女と結ばれることで、統合しようとします。
・女子は、目覚めてきた王子元型を、周囲の男子に投影し、
 彼と結ばれることで、統合しようとします。

ところがここで現代日本の抱える、大きな問題が発生してくることになるのです。

続きは来週ですね。ではまた。

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