過去のもっとも不幸な状態との比較によって、はじめて今が幸せか不幸かがわかるものです。
戦争というとびっきりの不幸を体験した人は、どんなささやかな食べ物でも感謝でき、喜びを感じられるでしょう。実際には、あまりに戦争時と今はギャップがありすぎて、幸福と感じるよりも、その差を埋められずに苦しんでいる人が多いようですが。不幸や貧乏に慣れすぎると、逆に豊かさが苦痛になるのですね。
とくに日本人は変化を苦痛と感じるようにできています。農耕民族であったがゆえに、変化が大きすぎると、どれほど幸せがやってきたとしても、自分に幸せになる許可が出せないのです。あるいは、貪りすぎて、どこまで金を集めても、飽食しても満足できなくなったりします。
これは戦中戦後、経済成長、バブル崩壊というすさまじいアップダウンの中で、世界の変化が大きすぎて、自分を幸せに生きるという自分へと変化させられなかったために起こっています。
逆に若者は、もともとの豊かさの中で、幸せの実感をつかめません。
これほど、同じ国、同じ時空で異なった体験、異なった精神性を持った世代が一つになっている状態は、過去に例を見ないでしょう。それゆえに、世代間の無理解、誤解、思い込みが広がって、これほど豊かな世界の中で貧しさに苦しみ、愛と慈しみに溢れた精神性の中で孤独と無理解に苦しみ、幸せな環境下の中に不幸せな部分にばかり焦点を当てています。
そして、「この世は結局地獄」という信念を現実化させているのですね。
幸せになりたくないのならそれでもいいのですが、幸せになりたいのなら、まず幸せになるための信念・観念・想念を持ち、そして周囲の人にも不安や恐れ、心配、迷いを起こすような言動を控えることでしょう。信念・観念・想念を変えたかったら、一番手っ取り早いのは、言葉を変えること。そして、自分の中のネガティブな感情を手放すことです。
この二つを日々実践するだけで、現実は大きく変化するでしょう。