龍をめぐる冒険 5 「アマテラスとスサノオの誓約(うけい)」

Katana

みなさん、こんにちは、宗生です。

宗像三女神とは何モノなのか、
といったところから、
話を続けますね。

私は神社の売店で買い求めた解説書を
そばのベンチに腰掛けてざーっと速読しました。

そこでわかったことが半分、
後日、ネットで調べたり、
チャネリングしてわかったことが半分ですが、
ここでは全部まとめてしまいます。

あくまで、私の理解した内容なので、
一般的かどうかはわかりません。
そこは平にご容赦くださいね。

まず、宗像三女神の出生ですが、
あるところでは天照大御神から生まれたと書かれ、
またあるところでは素戔嗚尊から生まれたと書かれています。

いきなり、なにっ!?という話です。

だって、アマテラスとスサノオは姉と弟ですよ?
姉と弟の子供って(汗)…古事記では珍しくないとは言え、
超一流の女神でそれはアリエマセン。

ということで、調べていきます。

まず、天照大神はいまさら言うまでもないと思いますが、
伊勢皇大神宮、通称「内宮」の主祭神であり、
日本神道の最高神といってもいい女神様ですね。

ちなみに、神道では世界は大きく分けて三つあって、
この地上が中つ国とか、豊葦原瑞穂国とかといいます。
この地上の神様を国つ神、といいます。

で、その上にある天上の国、高天原に住む神様が天つ神で、
この天つ神の代表格が天照大神(アマテラス)です。

いっぽう、この世の下にも世界があって、
それを根の国とか、黄泉の国とか言います。
いわゆる、死んだ魂が行くとされる魑魅魍魎の世界ですね。

さて、天照大神には弟の神様がおりまして、
この神様を素戔嗚尊(スサノオ)といいます。

この神様は、面白い神様で、
この時はまだ幼児神なのですが、体だけは異様にでかくて
あまりにパワフルなので、力が抑えられず、
すぐにあっちこっちぶっ壊してしまうんですね。

で、手を焼いた伊邪那岐命という父神様が
「スサノオよ。おまえみたいにでかくてハイパーなやつに
 ウロウロされたらあちこちぶっ壊されてかなわん。
 おまえは海を治めてこい」
と命じられます。

ところが素戔嗚尊はずうたいは立派でも中身はまだ幼いので
お母さんが恋しいのです。

残念ながら、お母さんの伊邪那美命は、
国産みの際に火の神を産んでやけどしたのがもとで、
早死してしまいました。

夫の伊邪那岐命は妻を追いかけて根の国まで行きますが、
時すでに遅く、魑魅魍魎になった妻に逆に襲われ、
大軍に追われるハメになります。

辛くも逃げ帰った伊邪那岐命は、
根の国で汚れた身を清めるために、
天津祝詞や大祓祝詞に書かれるような、
大規模なお浄めを受けたところでした。

素戔嗚尊は、死んだお母さんが恋しくて、
海なんかやだ。根の国に行きたいとゴネますが、
父親は自分も懲りたので「絶対ダメだ」と言います。

すると、素戔嗚尊はキレて暴れまくります。
そのため、世界がむちゃくちゃになってしまいます。

伊邪那岐命はこのままではヤバイというので、
「もう知らん。おまえなんか出ていけ!」
と天地から追放します。折れたわけですね。

素戔嗚尊は、これでお母さんのもとにいける、と喜んで、
根の国に向かうことにします。

さて素戔嗚尊は、お姉ちゃん大好きっ子なので、
一度根の国に行ったら二度と戻ってこれないというので、
お姉ちゃんの天照大神にお別れの挨拶に向かいます。

で、天照大神の住む神殿に素戔嗚尊が向かっていくわけですが、
神殿ではまるで台風情報みたいに警戒警報が発令されて、
厳戒態勢がしかれます。

天照大神は、素戔嗚尊に本気で攻めこまれたら
えらいことになると知っているので気が気じゃありません。
大軍を待ち受けるような勢いで、素戔嗚尊に備えます。

そんな大騒ぎになってることなどつゆ知らず、
素戔嗚尊はのこのこ、お姉ちゃん恋しさにやってきます。

で、お姉ちゃんが全身戦闘モードでピリピリした顔で
素戔嗚尊と対面するもんですから、びっくりして
「姉ちゃんどうしたの。戦争?」と訊きます。

「お前がノコノコこんな所に来るからだろーがっ」
とお姉ちゃんは歓迎の言葉どころか、
いきなり怒り出します。

「はあ? ただお別れの挨拶しにきただけじゃん」
「嘘つけ! おまえ、私を殺しに来たんだろう」
「それ、めっちゃ誤解なんすけど…(涙)」
「泣いても駄目だ。うわ泣くな。泣くと神殿が壊れる」
「じゃ、どうしたら信じてくれるの?」
「うーむ。よし、じゃこうしよう」

ということで、天照大神が提案したのが
「誓約(うけい)」をすることでした。

「誓約」とは、占いによって証人喚問するようなものです。
本当に、本人が嘘言ってなければ、
最初に宣言したとおりになるし、
嘘を言ってたら、宣言とは違うことが起こる。

それによって、嘘か真かを計るのですね。

そこで、アマテラスとスサノオは
「誓約」をすべく、天の安河で身を清め、
両岸に立ちます。

まず、アマテラスはスサノオの剣をとって噛み砕き、
川の水を含んでぷうっと霧を吹きます。

もし、ここから生まれた神様が
アマテラスと同じ女神だったら、
スサノオに他意がないということになります。

で、霧の中から生まれてきたのが…

麗しい三女神でした。

田心姫(たこりひめ)
湍津姫(たぎつひめ)
市杵嶋姫(いちきしまひめ)

と名付けられ、
宗像三女神としてセットで祀られるようになったのですね。

だから、ある意味ではアマテラスが生んだともいえ、
ある意味ではスサノオから生まれたとも言えるわけです。
なるほど! そういうことだったのですね。

やれやれ、近親相姦じゃなくてよかった(笑)。

ちなみに、スサノオもアマテラスの勾玉を噛み砕き、
川の水を含んで霧を吹くと、五人の男神が生まれました。
こうして、互いに他意がないことがわかって、
姉と弟は仲直りしたのでした。

スサノオはこのことにたいそう喜んで、
「我が心清く明し。故れ、我が生める子は、手弱女を得つ」
と言ったそうです。

要するに
「ほおらね。嘘ついてなかったでしょ。
 だからこんな可愛い女神が生まれたんだよ」
ということですね。

この「手弱女(たおやめ)」という言葉は
「益荒男(ますらお)」の対になる言葉だそうで、
やさしくしとやかな女性のことだそうです。

もちろん見た目が優しく、しとやかだからといって、
中身もそうだとは限らないわけですが(笑)。
なんせ、剣から生まれた女神様ですからね。

さて、こうして生まれた宗像三女神ですが、
これで伊勢神宮と深い関わりがある意味もわかります。

前回、田心姫と湍津姫の別宮が
月夜見宮とよく似ていると書きましたが、
それもそのはず、伊勢神宮の遷宮後の
建材を譲り受けて建てているそうです。

母親のお古を娘にあげるみたいなもんですね。
なるほど~。

しかし、なんでこの女神様が、
北九州の宗像という水際で祀られているのでしょう。
そして、龍となんの関係があるというのでしょうか。

そのことに触れるには、
まず宗像大社の特殊な宮の構成について、
お話ししなくてはなりません。

次回はそのあたりに迫ってみたいと思います。

ではまた。
(続く)

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