こんにちは、宗生です。
引き続き、箱庭アンケートについてです。
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(2)箱庭(描画)セッションを受けるまでの気持ち、抵抗について。
☆肉体的な抵抗があった。
・実際に受ける前日も、お腹が痛くなったり、だるくなったりと、最初の2・3回はそういうことがありました。
☆内面的な抵抗があった。
・言い訳や、理由を並べることが多かったです。頭の中でぐるぐるとあーでもない、こーでもない。と考えてたと思います。
・箱庭療法という名前が、病気の人が受けるセッションという印象で嫌でした。正直、何をすれば良いのかわからない・・・という状態でした。
・砂に対する抵抗感。表現力がないと思っていたのでうまく表せるのか不安でした。
・自分の内側を知らない方がいいのかもしれない、(知ってしまうとどうなるのかわからなくて怖い)という不安や恐れ。
・ネガティブな感情。
☆抵抗と気づかないで抵抗していた(無関心、気が乗らない、お金の問題など)
・ぜんぜんピンと来なくって、これが抵抗しているってことすら気づかないで、ワクワクもなく「そんなに言うんなら(受けてみるか)」って感じで思ってました。
・宗生さんが、箱庭を学んできたと聞いた時は、ああ、私には関係ないや!と思っていました。そこからちょっとして、受けることになったのですが、そこで分かったことは、私には関係ない!と思ったそれこそが、私の抵抗でした。
・セッションの日にお金忘れたり、落ち着かず遅刻したり・・・と見えないところでの抵抗があったように感じます。
・電車に乗り遅れるシュチュエーションになってしまう(なぜか逆方向の電車に乗ってしまうなど)。
・時間もお金も結構かかるんだな・・・と思いつつも、解決していくためにベストをつくしたい私は6回を選びました。
☆ワクワクしていた。
・「やってみたい!」と子供心のようにはしゃいでいました。表現できる喜び、とにかくうれしいという感覚をやる前から感じていたように思います
・抵抗はなく、わくわく楽しみだった。
・どきどき、わくわく。変わりたいから早くやりたい!って気持ちでした。
・どんなことが出てくるんだろー?という、どきどきわくわくの気持ち
☆宗生の感想
箱庭療法を受けるとなると、やはり色んな意味でプレッシャーを感じてみえるようです。
自分の内面と向き合うことに対する恐れもありますし、そもそもやったことのないことですので、いろいろ想像しているうちに、不安になったり、心配になったりすることもあると思います。
また、そのような不安という形ではなく、気が乗らないとか、落ち込むとか、気分が下がるなど、はっきりと感じるわけではないものの、抵抗として現れてくる感情もあるようです。
さらに、まったく抵抗しているとは思わないのに、なぜか時間に間に合わないとか、忘れ物をしてしまうとか、そういうこともよくありました。乗り換えで反対方向に乗ってしまう、なぜか駅に辿りつけないなど、クライアントさん自身が「なんでまた、今日に限って」とびっくりされることもありました。
私自身も、ロンドンの箱庭研修のとき、パスポートを家に忘れて東京まで行ってしまうという、信じられないポカをやらかしました。
これらが、まさに抵抗なんですね。
なぜ、これほど抵抗するのかというと、無意識のうちに箱庭療法を受けることで、自分が大きく変容するということを感じ取っているからでしょう。
人間というのは、基本的に保守的にできています。脳は「危険からの回避」を目的として機能しているので、先がどうなるかわからない変化に対しては、まっさきに防御反応が起きてしまうのです。
たとえ現状が苦しかったり、望ましい状態でなかったとしても、慣れている環境を変えるということは予測がつかないことなので、だったら変わらないほうがマシ、という選択をするのが脳機能です。
だから、自分の問題や課題を解決しようというとき、脳・思考が発する「変わるのは怖い」という保守的な抵抗に対し、意識的に乗り越えて行かないと、改革できません。
他にも、「お金がない」「時間がない」なども自身の抵抗を表現するときに、よく使われるフレーズです。本当はお金や時間が無いわけではなく、「お金を出すことの怖さ」「長い時間をかける怖さ」が自分の変化を止めている、やはり抵抗なのです。
なぜ、そう言い切れるかというと、実際このような数々の抵抗を乗り越えて、セッションを受けた方のほとんどの方が、終わったあとで「受けてよかった」「楽しかった」「こんなことならもっと早く受ければよかった」と言われるからです。
童心に戻り、無心にトレイを作ったあと、その表現された心的内容を理解していく中で、しばしば驚き、感動、開放が起こります。実のところ、受けていただいた方はみなさん、「こんなに簡単なことなんだ」と思われます。
内容を理解するのは簡単ではないかもしれないけれど、箱庭のトレイを作ること自体はとても簡単です。砂で好きに遊び、形を作り、オブジェクトを選んで、好きに置く。ただそれだけだからです。
しかし、連続セッションの途中で、キャンセルされる場合も稀にあります。
箱庭療法は、自分の内面の真実と向き合うという体験です。
真実と向き合うということは、必ずしも自分に快いことばかりではありません。話したくないこと、知られたくないことが、あればあるほど、それに向きあうのは苦しいものです。
私は、セラピストとして、クライアント様が自分の真実に向かおうとされている限り、たとえそれがどんなに自分の考えと真逆だったとしても、それを批判することはありません。
心の闇の中には、誰にも言えないような内容もしばしば含まれてきます。私はセラピストとして、クライアント様が真実と向き合うことにただ寄り添おうと努めます。
しかし、自分自身を欺き続ける限り、心の闇を解き放つことは出来ません。
そういうときには、あえて厳しいことを言ったりもします。「私には問題はない」といって、心の封をして現実を変えようとしても、それは無理なことだからです。
そのコンセプトが受け入れられない場合もあります。
内面に問題がないなら、現実にも問題はないはずです。現実に問題があるということは、自分の内面に問題があることの証左です。それを認めて、自分の偽りを手放して真実と向きあうとき、初めて次の扉が開きます。
でも準備がまだなら、待ったほうがよいのです。時を待ち、じっくり自分を癒してからでも遅くはありません。
現実は全て、自分の内面の写し鏡です。だからこの世のことを「現世(うつしよ)」と言います。
人とうまくいかない、苦しい、辛い、いろんなことがある中で、周囲をどれほど責めても、批判しても変わらない。自分を変えるしか現実を変えることが出来ないと気づいたとき、人は自由へ向かって大きく前進できるのだと思います。
5年ほど前に、宇宙法則で有名な小林正観さんの座談会で、私の妹に関する悩みについて質問したことがあります。即座に「他人を変えることはできません。自分に関することだけ質問してください」と叱られました。わかっていたことなのに、思わず赤面したものです。
まさにその通り。他人を変えることは出来ません。変えることが出来るのは自分だけです。
でも、自分を変えることに一番抵抗するのも自分です。
抵抗は変化していくとき、常に出てきます。どんな段階に達しても、抵抗は常に試練としてあり、前進を阻みます。阻まれてばかりでは、面白くありません。時が満ちたら、それを超えていく勇気も必要です。
私自身、高次元の声に対して10年以上抵抗し続けた人間なので、抵抗に関する経験と知識にはいささか自信があります(笑)。今も次に向かっていく上で、いくつかの抵抗と向き合っていますが、なかなか敵も手強いです。
抵抗を越えて行く時、以前はセドナメソッドなどを使って解放していましたが、今はもっぱら自宅の箱庭を使っています。箱庭を使って表現し、認識し、開放するプロセスの迅速さを知ると、箱庭無しでやるときの大変さ、時間のかかりようがよくわかります。
それでは、また。
次の記事→「箱庭セッションでの体験」
©Muneo.Oishi 2012
補足(2018.6):現在は直子より箱庭療法及び療法士養成コースをご提供しています。
https://einetrie.com/?page_id=4788