思考現実化プロセスとは:「未来は、えらべる!」レビュー7

バシャールの中心メッセージは「ワクワクすることをしてください」だと思われているが、それ以上に根幹に当たるのが「自分の観念が周囲の現実を創り出している」という定義だ。

私はこれを、「思考現実化プロセス」と呼んでいる。

自己啓発系の本を読んだことのある人なら、自己啓発の大家、ナポレオン・ヒルの「思考が現実を作る」という言葉に、必ず一度は触れているはずだ。その後の自己啓発セミナーの多くが、「思考が現実を作る。だからこそ、思考を成功者にふさわしく変化させる必要がある」という成功法則に基づいて、カリキュラムが組まれている。

また、本田健は「幸せな金持ちには、特有の思考と感情のあり方があり、それを習得しなければミリオネアになれない」といい、これを「ミリオネア・メンタリティ」「お金のEQ」と呼んだ。

ナポレオン・ヒルも本田健も、数多くの成功者をインタビューし、統計的に研究して、成功法則を導き出している。そこから、科学的な根拠ではなく、経験則として「考え方が、現実を変化させている」という結論に行き着いたのである。

普通の人は「自分の心が現実を作っている」などとは思わない。自分の中を変えれば、現実が変わるとも知らない。だから、いつまでも成功できない。成功者は、自分の内面が現実を作ることを知っている。だからこそ、まず自分自身を変化させようと努力するのだ。

このような、一部のビジネスマンや経営者だけが学んでいた「思考現実化プロセス」の存在を、一般に知らしめたのが、ベストセラーになった「ザ・シークレット」である。

ここでは、「成功法則」とは呼ばず、「引き寄せの法則」と呼んだ。自分が思ったこと、願ったことは、何でも引き寄せることができる、と何人ものマスターが説いた。これは、思考現実化プロセスを、よりわかりやすく、より魅力的に、一般の人々にも受け入れてもらいやすい形で表現されたものである。

ところが、ナポレオン・ヒルの自己啓発教材や、ザ・シークレットのDVDに感激し、実際に取り組んでみても、なかなか予期の成果が上がらない場合が多い。徐々に感動は薄れ、疑いにかわり、やがては「自分には無理なのだ」と諦めてしまう人が後を絶たない。これはなぜなのだろうか。

よかったらシェアください
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次