お金の牢獄

Prison

今まで、愛や豊かさについては
いろいろ書いてきましたが、
自由に関してあまり書いていないように思うので、
自由について書いてみようと思います。

私は大学を中退し、就職しました。

そこは、父や祖父も働いている法人でしたし、
しかも幹部クラスだったので、
私はその恩恵を受けて、簡単に職につくことができました。

ですので、私は就活を全くせず、
学生から社会人になりました。

子供の頃は、父が情熱的に働く姿を見て、
私もおとなになったら同じように、
仕事をしたいと思って育ちました。

しかし、大学時代、あることがきっかけで、
その気持ちが完全に消えてしまいました。
それどころか、不信感さえ持つようになりました。

組織の裏側をいろいろ見てしまったからですね。

ですが、私はずっとそこに勤めることが前提だったので、
途中で路線変更しようと思っても、
自力ではどうすることもできませんでした。

だから、心のなかは冷め切った状態で就職したのです。
そうやって10年近く勤めました。

お給料は決して多くはないですが、
毎月必ず決まった額が入ってきました。

両親も健在で、何かといえば援助してくれますから、
経済的には不自由ない生活です。
放っておけば昇進し、
それに応じてさらに収入も増えていきました。

でも、心のなかは、
どうすることもできないくらい地獄でした。

休日が殆ど無く、
一ヶ月に五日ほどしかありません。
残業も多く、泊りがけで帰れないこともしょっちゅうです。

責任が重くなるにつれて、目標とか期限とか、
さまざまなプレッシャーがどんどんのしかかってきます。
でも、自分は目標達成になんの情熱も見いだせませんでした。

時々、自分が何のために生きているのか、
自分は何を目的に今ここにいるのか、
分からなくなりました。

時々、発作的に、すべてを投げ出したくなりました。
すると、急に体調が悪くなり、病気になってしまいました。
何度も「辞めたい」と口にしましたが、
実際に辞めることがなかなか出来ませんでした。

その当時、私はそれを周囲のせいにしていました。
縁故や周囲の期待を裏切ることが辛いから、
辞められないのだと思っていました。

でも、本当はそうではありませんでした。
お金の問題だったのです。

組織をでると、一銭も稼げないと分かっているから、
怖くて出られないのです。
自分の直観と情熱に従って、
先に何が起こるかわからない自由な探索に出ることが、
怖くて怖くて、たまらないのですね。

だから、結局躊躇してしまい、
もとの生活に戻って行きました。
そして、またストレスとプレッシャーの中で、
体も心も潰れていく、という周期を
いったい何度繰り返したでしょうか。

そうやって過ごした十年間、
私はずっと自由を求めながら、
お金の恐れの前に、
一歩を踏み出すことができませんでした。

どうやって生活していくのか。

この恐怖が、見えない檻のようになって
私をずっと囲い込んでいました。

その自由のない状態の苦痛が
肌身にしみたので、
二度と戻るまいと決めて、
牢の扉をくぐりました。

その牢に鍵はかかってはいませんでした。
自分でかってに、
鍵がかかっていると思い込んでいただけでした。

今思うのは、
お金のおそれのその裏に、
自分だけの天職とともに生きること、
自分のハイヤーセルフの声を信じて、
三次元の自分を手放すこと。

それが一番怖かったのではないか、ということです。

お金の安定感は、しばしば、
心の奥からなんども聞こえてくる、
ハイヤーセルフの声から耳を背けさせます。

どんなに精神的に苦しい仕事でも、
お金が毎月定期的に入ってきて、
お金に困らない毎日を捨ててまで、
新たな道に踏み出す勇気を持てません。

私は、それほど苦しかったから、
次に進むしかなかったのですが、
もし、まだ耐えられたら、
今もあの牢獄の中に生きていたかもしれません。

今はたしかに、
保証された収入も、昇進もありません。
自分の身一つで生きているだけですが、
見事に自由です。

ライフワークによる真の豊かさと喜びを求めて歩く道のりは、
登山とよく似ていますが、
私にとって何より辛かったのは、
山を遠くから眺めながら、
チャレンジすることもなく、寿命を迎え、
死んでしまうことでした。

実際に、そういう死に様をなんども見て、
震え上がりました。
ストレスとプレッシャーで心を病み、
命を失った人を何人も見送ってきました。

だから40を目前にして、
意を決することができたのだと思います。

登山では、
滑落して死んでしまうかもしれないリスクは常にあります。
でも、足を踏み外さないように気をつけて歩いていけば、
道はすべてをみはるかす頂上へと続きます。

そして、その頂上についたとき、
実はそこは頂上ではなく、山ですらなく、
自分がずっといた庭だったと気づくのでしょう。

誰に食されることなく腐敗していく果実のように、
とどまった人生を歩いていたあの頃を思い出すたび、
自由の中で生きていける今が、とても幸せです。

収入が安定しなければ、たしかに苦しい時もあります。
でも、そのエネルギーを反発力にして、
次の階段へと登っていけます。

安定していたときは、お金がどれだけあっても、
私の天職はなに一つ実現しませんでした。
別にしなくたって、生きていけるからです。

もし、今お金が苦しくて辛い、と思われている方は幸いです。
その苦しみが、あなたをさらなる高みへと、押しあげてくれるから。

我々夫婦はそれを、肌身にしみて実感しています。

それでは、また。

(追伸1)

「そうか!じゃ今の仕事、やめなきゃ!」って、
握りこぶし握った方、ちょっと待って下さい!

お給料をもらう仕事が全部ダメだと言ってるわけじゃないですよ。

私だって、今もお給料は貰ってます。
ただ、自分の人生を犠牲にするような仕事はしていません。

ソースプログラムではこれを「過渡期のソース」といいます。

https://einetrie.com/?page_id=609

私はついつい荒療治で急激な変化をしてしまうのですが、
これは全く非推奨です(笑)。

変化を求めるなら、状態を改善させるべく、
まずは情報を集めてみるところから始めてみてくださいね。

ソース―あなたの人生の源はワクワクすることにある。/マイク マクマナス

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(追伸2)

いま、世の中はすごい不況ですね。
震災後、会社がバタバタ潰れています。
世の会社員にとっては、隣の火事も人事ではないでしょう。

旦那さんの仕事がうまくいかなくなって、
収入が激減したり、リストラされたりと、
専業主婦だった方々が、
突然お金に困る事態にぶち当たっています。

でも、そうやってご主人の収入が下がったり、
離婚してシングルマザーになったりして、
「何がなんでも稼がなければならない状態」
になった女性が覚醒すると、
ものすごい勢いで天職が実現します。

これからの時代は、男性にとっては大変厳しいですが、
女性にとって大きなチャンスだと感じています。

これまでは、男性が稼いで、女性がサポートする時代でしたが、
これからは、女性が稼いで、男性がサポートする時代になるかも。

一番効率的なのは、夫婦で稼いで、夫婦でサポートしあう関係だと思いますが。

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