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2007年5月18日

ESCAPE

070517_1404~01.JPG
免停90日に入り、
車に乗れない身の上になりました。
トイレ掃除のおかげか
急に臨時収入があり、
前々から欲しかった自転車が
りーべるさんのお許しが出て解禁。

一つ夢がかないました(笑)。

そんなわけで昨日、自転車屋さんに
GIANTのCS3000を買おうと思って行った。
クロスバイク、32000円。

クロスバイクっていうのは
いわゆるママチャリ(シティサイクル)よりは
長距離を走れて、軽量な自転車。
ママチャリが15-20キロあるのに
クロスバイクは13キロ前後。軽い。
ちゃんとスタンドもどろよけもついてる。

でもほんとに欲しかったのは、
GIANTのESCAPE R3というクロスロードと言われるもの。
クロスバイクよりも、さらにロードバイク寄り。

ロードバイクは、オンロードを走ることに特化した、
ドロップハンドルの超軽量バイク。10キロ以下。
競技とかにも出れる。そのぶん高価。10万近くします。

クロスロードはロードバイクとクロスバイクの中間。
町中を走るんだけど、ものすごく軽快で高速かつ長距離走れる。
しかもロードより安い。重さは10キロちょい。
持つと羽のように軽い。

でも、安いとは言っても
42000円が相場で、
しかもスタンドも泥よけもライトもついてない。
その辺の装備やら保険やらつけると+10000円はいく。
そんなわけで予算的に諦めていた。

ところがお店に行ってみると、
ESCAPE R3の2006ブラウンが
38000円!!

なぬ!!

店員さんに聞くと、一年型落ちだけど、
スペックはほとんど差がないとのこと(まあそういうワナ)。

30分迷いに迷う。

迷いに迷いに迷いに迷う。

店員さんに話を聞くけど、さらに迷う。

ええい!! お金のことはとりあえず除外する。

用途や機能、コストパフォーマンス
CS3000で圧勝。左脳ではそうだけど、右脳はどう?

わくわくしない。

R3、明らかに予算オーバーなんだけど、

このワクワク感は何?
右脳、こっちが欲しい? そうだよね??
そうだそうだ。誰か背中を押してくれ。

だって
僕のために

わざわざ

安くなってるし!!


ということで、ついにR3買っちまいました。

どうせオーバーしてるんだしということで、
妙に太っ腹になったおかげでスタンドやライトに
サイクルコンピュータも。

今日、20キロ走ってきました。

いま、事件中の長久手でメガネ屋さんでメガネを引き取り、
そのまま日進のサロン山田へ。
で、自転車で帰宅。

なんで自転車の名前がESCAPEっていうのか
わかった気がしました。

ロードバイクは非日常的用途に対する機能的形態。
シティサイクルは日常的用途に対する機能的形態。
クロスバイク、とりわけESCAPEの特異性は
日常的用途に対する、ちょっとだけ非日常的な機能を付加した
形態を持っている。

要するに「うっそお、街中をこんなに自在に走れるの!!」
という非日常的な快感。ワクワク。
日常からちょっと脱出しちゃう。そんな感じがいい。

普通に乗るならVITZがいちばん機能的。
走りを突き詰めるならポルシェ911。
ESCAPEはたぶんマツダロードスターやコペン。

日常がちょっと違って見える。そんな体験がありました。

ほんとに楽しい。買って良かった。

高校の時、
自転車が欲しくて欲しくて
買ってもらえなかった。

お金がないと言っていたけど、
ほんとはちがう。
事故が心配だったんだと思う。

当時の僕は
バリバリ伝説の巨摩郡がヒーローで
オートバイに憧れていた。

ハングオンで峠を攻めたかった。

でも、さすがにバイクは無理。
免許取れないし。
だからせめて自転車。
それで交差点を攻めるのだ!

アホですが、ほんとうに自転車欲しかった。

地下鉄やバスの混雑が嫌で
定期代をネコババすることにした。

友達に頼み、
僕が彼を後ろに乗せて走ると言う条件で
毎日ロードバイクで古出来町の高校に通った。

一年半かけて貯金して
今池のユニーで
三段変則付きのママチャリを買った。

嬉しくて嬉しくて、
でも親にバレたら
破壊されると思い
歩道橋の下に隠した。

小学生の時
お年玉を貯めて
ついに買った野球LSIゲームを
夢中でやってたら
そろばん塾に行くのを忘れ、
庭に叩きつけられ壊された。

僕は絶叫して詫びたけど、
父は許さなかった。
木っ端みじんになったゲームのかけらを
父は念入りにぼきぼき折って
僕の希望を木っ端みじんにした。

そんなことがあって、
僕は自分の欲しいものを
厳しく反対する両親が怖くて、
目の届かない遠くに隠した。

でも、嬉しさのあまり
妹には見せてしまった。
(tottocoちゃん、君だよ)。

「お父さんとお母さんには内緒だよ」と僕は釘を刺した。

そしたら彼女は
その秘密に耐えかねて、
発熱。

続いて僕まで発熱。

勘のいい母は
僕らの枕元に座り
「あなたたち、なにか隠しごとしてるでしょう?
 お父さんには言わないから言ってごらん」と
いつもの甘い手で来る。

僕は絶対に言わないが、
妹が口を割ってしまう。

そして母は、もちろん父に言う。

父は「自転車どこに止めてあるんだ」と僕に言う。

僕は震え上がって、口を閉ざすが
もちろん父は許すわけがない。

僕は諦めて歩道橋まで連れて行った。
絶望的な気持ちで。

父は無言で僕の自転車を見ていた。

そして言った。

「気をつけて乗るんだぞ」

いま、僕は父が
どれほど僕を失うことを恐れていたのか、
やっと理解できるようになった。

実際、交差点にハングオンで突っ込み、
マンホールですべって溝にスライディングしたり
タクシーのボンネットを転がり落ちたりした。

いずれもたいした怪我はしなかったけれど。

父は僕がスピードによる死を
どこかで求めていたことを
なんとなく気付いていたのかもしれない。

もうこの歳になって
死ぬような飛ばし方はしない。

こないだのセドナメソッドで解放しといたから。

免停になって良かった。

坂道が苦もなく上れるギアと軽量なボディ。
僕は空を見上げ、雲と木々と町並みを見ながら
心をワクワクさせてペダルを踏む。

景色が少し違って見える。
これが僕の欲しい時間なんだ。
嬉しかった。

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