2007年2月11日
嫌いなことを無理して努力して頑張ってやるのが勉強?
第一部 あなたの興味に宿る奇跡の力
一章 あなたの興味に宿る奇跡の力
この章では、理論や方法論に先駆けて、まずマイク自身が教職課程で実際に体験した実話が語られています。問題児ばかりを集めたクラスで、マイクはある実験を行います。それは、まず既成の学校の価値観を捨てて、一人一人ごとに一番大好きなことをテーマにしてあげ、その分野の研究をさせたのでした。
最初は心を開かなかった生徒たちも、なにも否定や批判をされないと知ると、徐々に心を開くようになり、自分が一番好きなことは何かを語り始めます。マイクはその思いを素直に受け止め、ボクシングが大好きならボクシングをテーマに据えて、リングの面積などに置き換えて数学を学ばせたり、身体のしくみを学ばせたりと、それを実際の教程に置き換えてあげるのです。
男女関係の好きな子、お店を経営したい子等々、どの子にも一つは好きなことがあります。それを中心に据えて、テーマを研究させることで、結果的に数学、国語、理科、社会とすべての科目をちゃんと習うようになり、しかも「楽しいから」というので、誰も休まなかったという話です。
私たちには「嫌いなことを無理して努力して頑張ってやるのが勉強」というイメージが潜在的にあり、子供(そして自分自身)は勉強が嫌いと思い込んでしまいます。しかし、本当にそうなのでしょうか?とマイクは問い掛けています。
「ドラゴン桜」というマンガがありますが、これを読んでいると、受験に合格するために、今苦しんで頑張る、という発想がいかに合理的でないかがわかります。楽しんでやる工夫、やればやるほど、まるでクイズが解けるかのように好奇心が刺激され、勉強が楽しくなる。競うのも、プレッシャーのためではなく、スポーツのように楽しむために出来たら、それが一番モチベーションが高まり、能力が上がり、結果として合格に近づくことが出来る。
つまり、人間はもともと、好奇心や向上心をもっており、自分の好きなことであれば努力を努力と思わず、趣味の延長のようにワクワクしながら学んでしまう。「人間は放置しておくと何もしない屑で怠惰な生き物である」という前提で構築された現代社会は、それゆえにますますそのような人間を生み出してしまうというダウンスパイラルを作っている——。
高校時代に読んだ「知的好奇心」という本を思い出しました。これもすばらしい本です。
- by lute
- at 17:49