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抑圧と4兄弟、そしてワークの効果を実感できない理由について

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皆さんの中に、4人の兄弟姉妹がいます。

長男は「思考」といいます。
長女は「感情」といいます。
次女は「感覚」といいます。
次男は「直感」といいます。

4つのファンクションとは、
ユングによって分類された、
「思考」「感情」「感覚」「直感」という
内面の4機能のことです。

本来、人間にとって、
「思考」「感情」「感覚」「直感」は、
等しく重要なものであり、
どれかが突出しているよりも、
すべてを調和させながら生きていくことがとても大切です。

しかしながら、一般的には「思考」がもっぱら重視され、
「感情」「感覚」「直感」は、
主観的で、曖昧で、信頼の置けないものとして、
軽視されるどころか、
「思考」によって抑えこまれたり、否定されたりしています。

だから、
「悲しい」と「感情」が感じて、涙がこぼれそうになっても、
思考は「人前で泣いてはいけない!」といって、
涙を止めてしまおうとします。

「直感」が「これは必要なことだよ!」と、強く訴えても、
思考は「根拠が無い。単なる気まぐれだ」と否定し、
直感の言うことを無視します。

感覚が「今日は体がだるいから休もうよ!」と訴えても、
思考は「休んではいけない。頑張らねばダメだ」といって、
体の不調をむりやり我慢させます。

これを「抑圧」といいます。

ちょうど、長男の「思考」だけが威張っていて、
他の三人の言うことに耳を貸さず、
「お前は黙ってろ」「我慢しろ」
「俺の言うことを聞いてればいいんだ」
と言って、強圧的に仕切っているような感じです。

実際、多くの人達は「思考」こそ重要で、
他の要素は「思考」により、
コントロールされねばならない、と考えています。

しかし、それはほとんどの場合コントロールではなく、
無理やり抑え込んでいるだけです。
「抑圧」しているのです。

しかし、抑えこまれた「感情」や「感覚」「直感」には、
重要なメッセージが含まれていることがあります。

「感情」「感覚」「直感」は、
「無意識」「潜在意識」に深くつながっているからです。

「無意識」は「集合的無意識」や、
さらに深い「トランスパーソナル層」といわれる、
個人の意識を超越した領域にもつながっています。

氷山で言うと、海面下にあたる莫大な部分が
「無意識」「潜在意識」にあるのです。

高次元的な感覚やメッセージも全て、
この3つ「感情」「感覚」「直感」を経由してやってきます。

リーブスの様々なワークも、
「感情」「感覚」「直感」によって受け取って、
はじめて「思考」で理解することができます。

逆に「思考」は「顕在意識」です。
氷山でいうと、
海上に浮かんでいる僅かな部分でしかありません。

にもかかわらず、
現在の社会は表面的な「思考」をあまりに重視しすぎ、
「感情」「感覚」「直感」を軽視し、否定した結果、
様々な問題が生じているわけです。

長男の「思考」は、権力を持つようになると、
冷酷な父親のように振る舞うようになります。
親である自分自身の「自我」さえ、支配しようとしてきます。

これを「超自我」と言います。
わかりやすく「悪徳裁判官」と呼ぶ人もいます。

この「超自我」は常にあなたを批判します。

「お前はダメだ」「お前は弱い」「お前は愚かだ」
と言い続け、鳥かごの中から一歩も出ないように
コントロールしてきます。

こうなると、「感情」も「直感」も「感覚」も、
「超自我」の圧政のもとで、
地下に隠れるように存在するしかなく、
怒りと不満がどんどん膨らんでいきます。

これは
「思考」「直感」=「男性性」
「感情」「感覚」=「女性性」
と、言い換えることもできます。

男性性によって、女性性が長い間否定されてきたことにより、
今もなお、女性であっても、「思考」が「感情」「感覚」を
否定したり、抑え込んでいることが多々あります。

あまりに「思考」によって抑えこまれていると、
そのエネルギーがどんどん「無意識」に貯めこまれ、
パンパンに膨らみ、常に緊張した状態になります。

「思考」によって抑圧された「無意識」のエネルギーが、
開放を求めて、さまざまな形で不具合を起こします。

「感情」「感覚」「直感」が、
強圧的に支配してくる「思考」に対して
反抗し始めるわけです。

そして、さまざまな心理的な問題や、
体の不調、人間関係や金銭関係など、
多くの問題を引き起こし、
「思考」によって抑えこまれた「感情」「感覚」「直感」を開放し、
「無意識」と調和した内面へ変容することを強く求めてきます。

しかし、「思考」は簡単には変わろうとしません。
「思考」がなぜそこまで圧政を敷くのかというと、
他のファンクションが怖いからです。

「思考」は偉そうな割に根がありません。
すべて現実から得た経験が作った概念が思考であって、
内面や無意識の根拠を持っていません。

しかし、他のファンクションは「無意識」の「元型エネルギー」と、
根がつながっているので、
実はとてもパワフルなのです。

そのパワフルさは人間のコントロールを超えた力なので、
怖くてたまらないから、思考ががんじがらめにするのです。

確かに「無意識」はコントロール出来ません。
だから怖いと感じます。
だから抑えるしかない、と考えます。

しかし、「無意識」を理解することは可能なのです。

理解すれば、「無意識」は無意味で価値の無いものではなく、
むしろ「思考」以上に重要な意味内容を含んでいることが
理解でき、信頼できるようになってきます。

「無意識」はわけの分からない危険なものではなく、
抑えこむことをやめ、きちんと理解し、受け入れれば、
逆に、窮屈な思考によって閉塞していた人生を、
大きく広げ、豊かにし、色彩鮮やかにしてくれる、
素晴らしい味方になりえるのです。

そもそも「幸せ」と感じるのは、思考ではなく、
「感情」や「感覚」です。

「思考」は「正しい」「間違っている」というのはわかりますが、
「快い」とか「幸せ」とか「満たされている」といった内容を、
体験できません。

それは「感情」や「感覚」でなければ、体験できないのです。
なのに、それを抑えるから、「思考」としては正しく生きているのに、
ちっとも幸せを感じられないという矛盾が生じます。

幸せを感じたいのであれば、
「感情」「感覚」「直感」を受け入れ、理解するだけでなく、
「無意識」をも積極的に受け入れ、
理解できる新たな「思考」を身に付ける必要があるのです。

現在の我々が使っている「思考」自体、
「旧式な思考」です。

「旧式な思考」は恐れと不安を前提にし、生存と防御を目的とした、
前時代的なコンセプトによって構成されているからです。

表現療法では、
箱庭を作るとか、絵を描くという
「旧式な思考」が介入しにくいメソッドを使うことで、
普段抑えこまれている「感情」「感覚」「直感」を
表に出しやすくします。

そして、「旧式な思考」によって否定されてきたメッセージを、
受け入れ、理解し、受容する、という、
いままであまり行って来なかったことを体験します。

「無意識」からのメッセージを抑えこむのではなく、
適切に受け入れ、理解できる、
「新しい思考」にアップグレードしていただくことを、
目指していくワークなのです。

現在の「旧式な思考」は、
人間の4ファンクション(思考・感情・感覚・直感)のうち、
たったひとつの機能に限定された、狭い内容にすぎないという認識を、
まずは持っていただくことが必要です。

表現療法セッションによって、今まで認識していなかったこと、
抑圧してきたこと、自分で感じながら、受け入れて来なかったことを、
自分の描いた作品を通して、まずは向き合っていく必要があります。

ときどき、
「本音を抑えて、たてまえだけでうまく生きていく方法はないでしょうか」
という質問がありますが、それは我々の目指す方向ではありません。

それは、「感情」「感覚」「直感」を抑えて、
「旧式な思考」だけでこれからの時代を生きていくことはできますか?
という質問と同じだからです。

アセンションしていこうという時代において、
それは時代に逆行することです。

私たちは「新しい思考」にアップグレードすることを、
さまざまなワークを通してお手伝いしたいと思っています。

「新しい思考」を身につけ、
「無意識」からのメッセージを理解できるようになると、
「旧式な思考」だけで現実を考えていくことが、
いかに限られた、狭い範囲の中だけで判断していたかがわかります。

4つのファンクションをすべて使っていくことで、
現実の理解がはるかに広がり、その意味を理解し、
行動化しやすくなります。

多くの人達が答えを見つけ出せずにいる問題に対し、
「旧式な思考」では決して受け入れられない答えを、
「新しい思考」が見出し、現実をはるかに早く、
スムーズに変えることができます。

もちろん一回や二回のセッションだけで、
そこまで行き着けるものではありません。
時間をかけて、少しずつ自分を変えていく必要があります。

高次元を変えるのは一瞬ですが、
三次元の古い価値観によって作られた、
「旧式な思考」を変えるのは簡単には行きません。

「旧式な思考」は、不安や怖れをベースにしているので、
イノベーションを嫌います。

それはちょうど、iPhoneのOSがアップグレードされても、
不具合が起こったら嫌だなとか、
また一から使い方を覚え直すのが煩わしいという理由で、
古いOSを使い続ける心情に似ています。

古いものへの慣れと、新しいものへの恐れが、
変革と挑戦を拒むのです。

だから、激しく抵抗します。
でも、変わりたいという直感的な意識の流れは、
抑えられません。

だから、そこで内面的な衝突が生じます。
大きな変容のステップのたびに、
「旧式な思考」が抵抗し、変化を拒みます。

箱庭療法や描画療法は、
そのような抵抗を、比較的容易に手放し、
変容していくことのできるプロセスです。

トレイを置いたり、絵を書いたりする中で、
「旧式な思考」に抑えられていたファンクションを使う喜びを体験しながら、
「無意識」に対する信頼を取り戻していきます。

すると、「旧式な思考」は安心して圧政をやめ、
他の兄弟達の言葉に耳を傾けるだけでなく、
その意味を評価し、理解を深めてくれる存在に変容します。

「新しい思考」に変容するのです。

それが、アセンション後の「新しい思考」ということになるわけです。

様々な高次元ワークを受けても、
「変化が実感できない」とか、
「変わらない」という方のほとんどが、
この問題を抱えています。

高次元的な部分を認識するには、
「感情」「感覚」「直感」が開かれ、
その意味を受け取れる「新しい思考」でなければ、
理解できません。

逆に、「感情」「感覚」「直感」だけで、
「思考」を軽視していても、
今度は主観的な思い込みを排除できないので、
不安定な認識の中で、生きねばなりません。

「思考」「感情」「感覚」「直感」の4兄弟を、
バランスよく、長所を伸ばし、補完し合いながら、
人生を運営できるようになった時、
三次元から高次元に至るまで、
広々とした認識の中で、生きていくことができるようになるでしょう。

それでは、また。

©Muneo.Oishi 2013

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